ワインは、紀元前から人々に愛されてきた、人類最古の嗜好品の一つと考えられています。
現在でも、世界中で親しまれ身近な存在として飲まれています。
しかし、ワインの歴史や起源について問われると「実際にはよくわからない」と言うのが本当のところではないでしょうか。
そこで今回は、ワインの起源と世界中にどのようにして広がっていったのかを歴史を紐解きながら解説していきます。
ワインの起源
ワインは、人類の歴史と共に歩んできた最も古い飲み物の一つです。
その起源は謎に包まれており、諸説ありますが、紀元前6000年頃にジョージアで野生のブドウから自然発酵したものが最初と言われています。
その後、ワインはメソポタミア文明やエジプト文明で栽培され、神聖な飲み物として重宝されました。
古代ギリシャ・ローマ時代には、貴族や富裕層の間で嗜好品として愛され、ヨーロッパ各地にワイン文化が広まりました。
古代エジプト、ギリシャ、ローマ帝国など、様々な文明において、ワインは重要な役割を果たしてきたといえるでしょう。
ワインは宗教的な儀式に使われたり、薬として飲まれたり、日常の飲み物として人々の日常に溶け込んでいきました。
①ジョージア(旧グルジア)が発祥
ジョージア周辺には野生のブドウが自生しており、人々はこれらのブドウを採取し、食べていました。そのブドウが自然に発酵し、ワインの原型になったと考えられています。
紀元前6000年頃は日本では縄文時代の初期にあたり、人類の文明がまだ発展途中の時代です。
この時代に意図的にブドウを発酵させてワインを作っていたとは考えられません。
そのため、意図してブドウを発酵させるというよりは、偶然発酵してしまったというのが正確なところといえるでしょう。ワインはまさに偶然から生み出されたお酒といえます。
②メソポタミアやエジプトに広まる
ジョージア周辺で生まれたとされるワインは、古代メソポタミア(現在のイラク周辺)や古代エジプトに広がっていきました。
メソポタミア文明を築いたとされるシュメール人は、「ギルガメッシュ叙事詩」に、船を作る労働者にワインが振る舞われたことを記しています。
これは、ワインについて記された最古級の文献の一つです。
また、メソポタミアでは、ワイン造りに必要なブドウの果汁を採る石臼やブドウ畑の跡も発見されています。
さらに、紀元前3000年頃の古代エジプトの壁画には、ワイン造りに必要な圧搾機やつぼが描かれていました。
これは、エジプトの第一王朝の頃からワインが作られていた証拠とされています。
文献や壁画からも、ワインは非常に古くから人々の生活に密接に関わっていたことがわかります。
③ギリシャやローマに広がっていく
ジョージアで生まれたワインは、メソポタミアやエジプトを経てさらに広がりをみせました。
次に伝わったのは、紀元前1500年頃の地中海沿岸や古代ギリシャです。ここで重要な役割を果たしたのが、フェニキア人です。
フェニキア人は古代ギリシャにもワインを伝え、ギリシャ人もワインを愛し、造るようになりました。
また、世界最古級の法典として知られる「ハンムラビ法典」には「酒癖の悪い者にはワインを売ってはならない」との記載があります。
これも、ワインが人々の生活に深く根付いていた証拠といえるでしょう。
このように、ワインは時代を超えて人々の生活に広がっていきました。
古代~中世|ヨーロッパでワイン作りが広がる

紀元前1100年頃、フェニキア人が地中海を中心に交易を行い、エーゲ海や地中海沿岸にワインを広めていきます。
その約350年後、ギリシャでもワイン造りが始まり、文化が花開いていきました。
紀元前8世紀頃には、ワイン造りがギリシャからイタリア南部に伝わります。
その後、ギリシャから持ち込まれたグレコ、グレカニコ、アリアニコなどのブドウ品種により、南イタリアでのワイン造りが盛んになりました。
さらに、ジュリアス・シーザーがガリア(現在の北イタリアとフランス全域などを含む)に遠征した際、ローマ軍は征服した土地に次々とブドウを植えていきました。
これにより、ワイン造りはヨーロッパ中に広がっていきます。
近世・近代|大航海時代に各地にワイン作りが広がる
時は流れて15世紀、大航海時代が始まります。この時期にワインを広めたのは、キリスト教の宣教師たちです。
彼らは全世界にキリスト教を布教するため、各地でブドウ栽培とワイン造りを始めました。
現在「ニューワールド」と呼ばれる多くのワイン生産地は、この時期に開拓されたものです。
このようにしてワイン造りは大航海時代と共に地理的に広がり続けました。
さらに、近代に入るとブドウの品種改良や、醸造方法の研究などが盛んに行われ、高品質なワインが次々と造られるようになっていきます。
現代のワイン|産地の特性が現れたさまざまなワインが楽しめる

現在、ワインは世界中で愛飲されており、多くの国で生産されています。
フランス、イタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリアなどが主要な産地として知られていますが、近年では中国、チリ、南アフリカなどの新興産地も注目を集めています。
現代のワインは伝統的なスタイルを守りながらも、革新的な試みを取り入れた多様な味わいが魅力です。特に産地ならではの地形、土壌、気候、ブドウの品種、醸造方法があるため、造られるワインにも産地の特性が現れたワインを楽しめます。
日本においてはワインの歴史がまだ浅い国ですが、醸造技術に関しては世界のトップレベルに入るとして、近年評価が高まっています。また、これまで日本固有の気候に適した品種が中心でしたが、近年は欧州系品種の栽培も増えています。
世界中にはまだまだたくさんのワインの産地が存在しているため、ワインを飲み比べてみることにより、産地ごとの特性の違いによる味の違いを感じられるでしょう。
まとめ:ワインの起源と歴史を紐解きながら現代ワインを楽しもう
ワインは、人類の歴史と共に歩んできた長い道のりを持ち、それぞれの地域で独特の文化と発展を遂げてきました。
近年では、日本でもワイン造りが盛んになり、世界中で愛される飲み物となっています。
ワインの歴史を紐解くことは、単にワインの知識を深めるだけでなく、人類の歩みを知る手がかりにもなります。
ぜひ、ワイングラスを傾けながら、その奥深い歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
参考
https://www.sakesen.com/blog/wine-history/
https://www.mottox.co.jp/column/wine/wine-history
https://www.gourmet-world.co.jp/wine/basic/basic9.html
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/398/