近年では、酒屋だけでなくファミリーレストランやスーパー、コンビニなど様々な場所で赤ワインが入手できる時代になりました。
しかし、簡単に入手できるがゆえに「赤ワインってどういう方法で作られているのだろう」と疑問に感じたことはありませんか。
今回は、そんな身近な存在になりつつある赤ワインの醸造方法について詳しく解説します。
赤ワインの醸造方法を知ることにより、きっと今まで以上に赤ワインを美味しくいただけるようになりますよ。
赤ワインとは
赤ワインとは、主に赤や黒のブドウから作られるお酒で、果実を使ったお酒のため、日本の酒税法では「果実酒」と表記されています。
赤ワインの「赤」とは、ブドウの皮に含まれる色素を指しています。
赤ワイン製造過程では、果皮と果汁が一緒に発酵されることから、色素が果汁に溶け出すことにより、ワイン特有の赤色に染まっていきます。
味の特徴は、軽やかで飲みやすいものから濃厚なコクを感じるものまで様々なのも、赤ワインの魅力のひとつです。
それでは、赤ワインがどのように醸造されるのか、早速見ていきましょう。
赤ワイン醸造の工程

赤ワインの醸造の工程は、以下の方法になります。
- ブドウの選別
- 除梗
- 破砕
- 発酵
- 醸し(マセラシオン)
- 圧搾
- マロラクティック発酵
- 熟成
- 澱(おり)引き
- 清澄・濾過
- 瓶詰め
赤ワインの醸造は、白ワインにはない「醸し」や「マロラクティック発酵」などがあるのが特徴です。以下でそれぞれ解説します。
ブドウの選別
はじめに、赤ワインの原料でもある黒ブドウを収穫します。
黒ブドウの収穫時期は、北半球だと9月から11月まで、南半球では2月から4月にかけて行われます。
収穫方法は、機械摘みと手摘みの2種類です。
短時間で効率よくブドウを収穫できる機械摘みに対し、時間や体力などのコストがかかりますが、ブドウが傷みにくいのは手摘みのメリットとも言われています。
その後、収穫したブドウを選別(選果)し、傷みがあるものや実が完全に熟していないものを取り除きます。
除梗(じょこう)
除梗とは、ブドウの茎を取り除く作業を意味します。
梗はブドウの実がついている短くて固い枝や茎のことです。
除梗によって梗の部分を排除することで雑味が取れ、香り高いワインの風味が生まれます。
破砕
破砕とは、ブドウ果汁を潰し、絞りやすくする工程を意味します。
昔は足でつぶす方法で行われていましたが、最近では機械の性能がパワーアップし、圧絞機やプレス機を使った作業が中心となっています。
これにより人力で作業していたころに比べ、美味しいワインを短時間で作れるようになりました。
発酵
発酵に使われているのは、主に木樽やステンレス製のタンクです。
発酵温度は、26~30度と少し高めの温度を設定しています。
その中に破砕したブドウを入れて酵母を加えると、果汁の中の糖分が分解され、アルコールと二酸化炭素が出ます。
これを「アルコール発酵」といい、糖分の残量によって味が変わるのも特徴です。
醸し(マセラシオン)
発酵から数日が経過すると、ブドウの果皮から赤い色素、種子から渋み成分のタンニンが出てきます。
この現象を「マセラシオン」といい、赤ワインは醸すことで色鮮やかな赤い色合いになり、美しいワインの色になります。
醸しの長さにより、熟成させた濃厚な赤ワイン、飲み口が軽やかな赤ワインで造り出されるのも特徴です。
圧搾
圧搾とは、マセラシオンの後、ブドウ滓と果汁に分別する工程を意味します。
圧搾機でブドウを潰し、果汁をどんどん絞り出すのですが、これは赤ワインの渋みを出すための重要なポイントです。
特に濃厚な部分は、ブレンド用やブランデーなどの濃厚で力強いワインに使用されます。
マロラクティック発酵
マロラクティック発酵とは、乳酸菌の働きによってワインのリンゴ酸を乳酸と炭酸ガスに分解し、ワインの酸味を和らげる工程を意味します。
このリンゴ酸が強い酸味を主張しているため、分解されることにより、優しい口どけの赤ワインに変わるのも大きなポイントです。
熟成
熟成は、ワインの旨味や成分を落ち着かせるための大切な工程です。
熟成では、発酵中に発生した澱などを沈殿させ、ワインを木樽やタンクで1~2年ほど寝かせます。
中でもワインを木樽で熟成させることは、空気に触れることで熟成が進み、香りや風味が絶妙に合わさったり、色味が安定したりするなどのメリットがあります。
澱(おり)引き
澱引きとは、発酵後のワインに浮かんだ濁った澱(おり)を取り除く工程を意味します。
上澄みの部分を別皿に移動させることで、沈殿していく澱を取り除くことが可能です。
この工程を貯蔵・熟成中に数回行うことにより、新鮮で美しいワインができ上がります。
清澄・濾過
清澄・濾過とは、滓引きの際に取りきれなかった滓を、清澄剤を使って綺麗にする工程を意味します。
清澄剤には、濾過作業の際に取り除きやすくするために含まれているゼラチンや卵白によって、清潔で美味しいワインが作られます。
しかし、濾過し過ぎるとせっかくのワインのうまみ成分まで消えてしまう恐れもあり、濾過の調整が大切といえるでしょう。
最近では、作りたてのうまみや複雑性が保たれる「無濾過ワイン」も需要が高まっています。
瓶詰め
清澄・濾過作業を終えたあとは、いよいよ瓶詰めの工程に入ります。
生きる飲み物と呼ばれているワインは、大変繊細であるため、不純物が入らないように注意しなければなりません。
味わいの変化を避けるためにも、ワインを入れる瓶の洗浄と乾燥を徹底します。
ワインを瓶に詰めて、最後にラベルを貼ったら完成です。
まとめ:赤ワインは醸しや熟成の加減で様々な味わいが楽しめる

本記事では、赤ワインの醸造方法を解説しました。
赤ワインは、独特のきれいな赤色を抽出する「醸し(マセラシオン)」の工程や、芳醇な香りや深い味わいを作り上げる「熟成」に時間をかけることが大きな特徴となっています。
また、熟成の段階で、木樽かタンクかによっても飲みごたえが変わってくるので、幅広いテイストのワインが存在することも理解できました。
赤ワインと白ワインの工程を見比べて見ると、ワインの特徴や味わいの差がより感じられるようになりますよ。
赤ワインが作られる工程もイメージしながら、ワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。